山田征さん

加藤鉄さんの作品は、前作「田神有楽」を何度も観ました。
六ヶ所村再処理工場建設に伴い、村人すべてが立ち去った集落に一人残り、これまでと変わらず米を作り、社を護り、舞をまい、核燃反対の意志を貫き通す一人の老人、小泉金吾さんの姿を描いた作品です。
小泉さんは同じ六ヶ所村尾駮沼でアサリ漁を続ける友人に、「おまえ沼の神になれ、おれは田の神になる・・・」と呼びかけます。
その淡々とした映像が忘れられません。
今回の「フクシマからの風」の中にも、同じ息づかいをする人々の姿が捉えられていて胸に迫ります。

ひょうひょうと吹く風・・・。
失われてしまったものは何か・・・。