岸友美子さん

事前知識は、全くなしで来ました。
最初に思ったのは、「えらく不親切な映像作品やなー」です。
しかし製作された方の意図は、「用意された答えを伝えたい訳ではなく、一人ひとりが深く考えるきっかけになって欲しい」のだと思います。私がこういうふうに撮るとしたらそういう風に考えますから。普段親切なドキュメンタリーに慣れている分疲れる作品でした。
さて本編感想です。メディアを通じて処理された情報ではなく、福島の方々の生の声や生活をずっと見たいと思っていましたから、まずは良かったなと思いました。切り口となった4人の方々が、個性的なのでちょいと面食らいました。
4人の方々の言葉で、1番心に響いたのはマサイさんの「人類は皆加害者」という言葉です。常々そう思っていたので、「よしっ!よく言った」と思いました。原発に関して、意識があったにせよ、無知だったにしろ罪は罪です。まずは、目を逸らさず、その現実に目を向けなきゃ、堂々巡りだと思います。
無知といえば、チェルノブイリのことは、何年も前から勉強していたのに、自国の原発のことは、こうやってことが起こるまで何も知りませんでした。私達自身や子々孫々、海や川や森や生物達に対して、申し訳のないこととなりました。
だからこそこれからは、必死こいて変わっていかないといけないと思います。

一応、昨夏はエアコンは無使用、冬は電気毛布2枚に厚着、シャンプー、リンス、ボディーソープは無添加石鹸にし、座禅断食に行って小食にし、生活も少欲知足で清貧に楽しくゆっくり生きてこうと徐々にやっています。就職先もそういう条件で選びました。
後は、「国際環境NGOグリーンピース」の脱原発プロジェクトに署名したり、情報を得たりとささやかながら行動しています。とまあ、たいしたことはしていませんが、私にとって無理のないペースで、良心の咎めもないので満足しています。

今回のことが起こり、皆さん様々なアクションを起こしていますが、本当に世界を変えるのは、この作品に出てくるような何気ない優しさを、人や動物や自然に分け与えることができる人達の束となった力なのかなーと、そうであって欲しいと思います。

コメントしだすと切が無く、まとまらないのでもう引き上げます。

最後になりますが、出演した皆さん、製作者の方々、上映して下さった皆様に感謝します。これからも、折に触れて、こういった作品を鑑賞し、良い生き方にしていく糧にしたいと思っています。
これからも、風の中に溶けてしまう声を掬い上げて、また届けて下されば嬉しく思います。